2013年6月7日金曜日

日経平均は1日の値幅558円と乱高下も、小幅続落で1万2900円割れ

7日の東京株式市場は小幅ながらも3日続落。
日経平均株価は前日比26円49銭安の1万2877円53銭、TOPIXは同13.82ポイント安の1056.95といずれも値下がりした。

(以下引用)
日経平均は一時1万2548円まで突っ込み、4月4日以来2カ月ぶりに1万2600円を割る場面もあった。為替が一時1ドル=95円台もつけるなど、円高傾向を嫌い下値を探る動きが強かったものの、有力投資家の発言などを好感し、大引けにかけては1万3100円台を回復する場面もあるなど値動きの荒い相場だった。日経平均の1日の値幅は558円に達した。

東証1部の出来高は概算で43億9973万株、売買代金は3兆3421億円だった。

前日の米国株式市場では、NYダウ平均が前日終値比80ドル03セント高の1万5040ドル62セントと反発。ナスダック総合やS&P500も上昇した。7日に発表される雇用統計を控えて様子見ムードの中、大幅なドル安など為替の急変を受けて、NYダウは116ドル安まで下げる場面もあったが、持ち高調整による買い戻しが進んだことで、急速に値を戻し、高値引けとなった。

ただ、本日の東京市場では朝方の為替が対ドルで95円台、対ユーロで127円台を一時つけるなど円高傾向に振れたため、日経平均は前日終値比197円安でスタート。9時13分には243円安まで下げたものの、円高の動きが一服すると買い戻され、9時29分には52円安まで下げ幅を縮小した。ただ、業績上ブレ期待が後退した輸出関連株中心に冴えず、171円安で午前の取引を終えた。

昼のバスケット取引は612億円が成立し、「売り買い均衡」と伝えられた。アジア市場は総じて軟調。この流れを受けて、東京市場の後場寄りは前日終値比229円安で再開。円高傾向が再び強まったことから先物に売りが膨らみ、13時20分に同355円安の1万2548円まで突っ込んだが、円安に傾くと13時33分には同36円安まで下げ幅を縮小。わずか13分で300円以上も上昇するなど、荒い値動きとなった。その後、バフェット発言、公的年金による日本株買い観測もあり、14時45分には同202円高の1万3106円まで上昇。大引けにかけては一転して下げ同26円安で本日の取引を終えた。

円高進行により輸出関連株の業績上振れ期待が後退。さらに、裁定解消売りの圧力などマイナス要素があったものの、著名投資家のジョージ・ソロス氏による、今週初めから円売り・日本株買いを再開したとの発言が伝わったこと、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による日本株買い期待、さらに株価の調整が進み日米欧市場ともに値ごろ圏に入っていることなどがプラス要素として拮抗したもようだ。

業種別では東証33業種中、30業種が下落。値下がり率トップは鉄鋼の4.68%。これにゴムと石油が4%台で続いた。輸送用機器も3%台の下落。さらに海運、金属製品、空運、鉱業などが安かった。一方、上昇したのは、長期金利の低下や都心オフィス空室率低下を好感した不動産、円高がプラスに働く電気・ガス、その他金融の3業種だった。

個別銘柄では、値ガサ株であるファーストリテイリングとファナックの上昇が相場の下支えをしたほか、住友不動産、三井不動産、三菱地所など不動産が高かった。一方下げたのは、円高による業績上ぶれ期待が後退した輸出関連株が多く、京セラ、ホンダ、トヨタ自動車、ブリヂズトン、太陽誘電、キヤノンなどの下落が相場の重しとなった。また、ソフトバンク、NTTドコモなど安値競争が懸念された携帯電話各社も安かった。地銀24行で年初来安値の更新もあった。

東証1部の値上がり銘柄数は231(全体の13.4%)、値下がり銘柄数は1447(同84.3%)、38銘柄が変わらずだった。大型株、中型株の下げが13%にとどまった一方、小型株は39%の下落と大きかった。前日13%超の下落となったマザーズは今日も11%超の下落、ジャスダック、2部指数も大きく続落した。

今後の注目点は、本夕発表される5月の米国雇用統計の中身。市場予想の非農業部門部門の雇用者数は16万7000人の増加。これを上回るようだとQE3(量的金融緩和策)の縮小が見込まれるため株価にはマイナス。

また、増加幅が10万人を割り込むようだと、米国景気に悪化懸念が広がるため、やはりネガティブ。ストライクゾーンは狭いというのが市場の見方。また、来週10~11日に予定される日銀の金融政策決定会合も注目。とくに、11日予定の黒田総裁による会見の中身が焦点となりそうだ。
(引用元:東洋経済)