週明けの日経平均株価は上昇が見込まれる。7日の米シカゴ市場では日経平均先物6月物(円建て)が1万3220円と大幅反発し、前週末の日経平均の終値を343円上回った。米国の量的金融緩和の早期縮小の観測が後退し、円高が一服。輸出株への業績上振れ期待も回復しつつある。
7日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が前日比207ドル高となったのも追い風で、市場では「日経平均は週明けに1万3200円まで上昇する」(メリルリンチ日本証券の神山直樹氏)との声があった。
もっとも、そこからは積極的に上値を追いにくいとの見方が大勢だ。14日には株価指数先物の決済の基準となる特別清算指数(SQ)が算出される。それまでは先物取引の損益を意識した短期売買に振り回され、株価が乱高下する懸念もある。
SQの算出日が近づくと、普段でも株価の動きは荒くなりやすい。今回は先物主導で大きく下げてきただけに、なおさら警戒感が強まっている。特に長期運用志向の投資家は週末まで買いを手控える公算が大きい。
第2の関門は、政府が14日に閣議決定する成長戦略。「失敗だった」。米紙ワシントン・ポストは7日付の社説で、安倍晋三政権の構造改革の物足りなさに市場は失望したと指摘した。日経平均が5日に前日比500円超の下落幅を記録したのも、安倍首相が同日発表した成長戦略第3弾の迫力不足が一因だった。
富国生命投資顧問の桜井祐記社長は「7月の参院選前に痛みの伴う労働市場改革や社会保障制度改革などを踏まえた成長戦略を示せるかどうかがカギを握る」と語る。
富国生命投資顧問の桜井祐記社長は「7月の参院選前に痛みの伴う労働市場改革や社会保障制度改革などを踏まえた成長戦略を示せるかどうかがカギを握る」と語る。
第3の関門が、米国の金融政策だ。前例のない規模に膨らんだ米金融緩和の縮小が現実味を帯びれば、世界に広がった「緩和マネー」が逆流し、乱高下を招きかねない。次の焦点が、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が19日に開く記者会見だ。再び早期縮小観測が強まれば、株安→円高の流れが再開する可能性もある。11日には日銀の黒田東彦総裁が記者会見に臨む。
7日には円相場が海外市場で一時1ドル=94円台まで円高が進み、日経平均も東京市場で取引時間中に一時1万2500円台半ばまで下落した。
円高と株安が連動して進む「負の循環」を回避できるかを見極めるうえで、円相場は1ドル=95円が「警戒ライン」となる。3月期決算の上場企業の4割は今期の想定レートを1ドル=95円に設定。想定レートを1ドル=90円に設定しているトヨタ自動車を含めた自動車大手3社の場合、対ドルで1円円高が進むと合計700億円近い営業減益要因になる。
富国生命投資顧問の桜井祐記社長は「7月の参院選前に痛みの伴う労働市場改革や社会保障制度改革などを踏まえた成長戦略を示せるかどうかがカギを握る」と語る。
(引用元:日経新聞)富国生命投資顧問の桜井祐記社長は「7月の参院選前に痛みの伴う労働市場改革や社会保障制度改革などを踏まえた成長戦略を示せるかどうかがカギを握る」と語る。
第3の関門が、米国の金融政策だ。前例のない規模に膨らんだ米金融緩和の縮小が現実味を帯びれば、世界に広がった「緩和マネー」が逆流し、乱高下を招きかねない。次の焦点が、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が19日に開く記者会見だ。再び早期縮小観測が強まれば、株安→円高の流れが再開する可能性もある。11日には日銀の黒田東彦総裁が記者会見に臨む。
7日には円相場が海外市場で一時1ドル=94円台まで円高が進み、日経平均も東京市場で取引時間中に一時1万2500円台半ばまで下落した。
円高と株安が連動して進む「負の循環」を回避できるかを見極めるうえで、円相場は1ドル=95円が「警戒ライン」となる。3月期決算の上場企業の4割は今期の想定レートを1ドル=95円に設定。想定レートを1ドル=90円に設定しているトヨタ自動車を含めた自動車大手3社の場合、対ドルで1円円高が進むと合計700億円近い営業減益要因になる。