2013年6月25日火曜日

中国株安、希望の兆しとの見方も

中国株安が希望の兆しととらえられることはまれだが、24日の上海総合指数の5.3%下落は例外と言えるかもしれない。
(以下引用)
 この日記録した2009年8月以来の大幅な下げは、中国の金融市場が極度のストレスにさらされている様子を浮き彫りにした。同日の中国短期金融市場で銀行間金利の指標である7日物レポ金利は7.5%をつけた。先週末時点の10%超に比べると下がったが、依然として年初来平均の約2倍の水準だ。

 中国人民銀行(中央銀行)は同日付の公告で、銀行業界は自ら問題を処理できるとの見方を示した。人民銀行は、同国銀行システム全体の流動性は「妥当な水準」にあるとした上で、信用拡大と流動性管理に細心の注意を払うよう銀行に通知した。

 中央銀行は要するに「壊した者が直せ」というメッセージを銀行に送ったのだ。株式市場が聞きたいのは愛のむちではない。短期金融市場に最も依存している中規模銀行の株価が最も大きく下落した。

 銀行間金利の高騰による収益悪化懸念から、上海市場で取引されている中国民生銀行(1988.HK)(600016.SH)のA株は前週末に比べ10%近く下げた。

 だが中国の信用拡大が長続きしないことへの不安が募る中、これはまさに実体経済が必要としていることだ。

 中国の与信残高の対GDP(国内総生産)比率は08年の123%から12年には180%前後に跳ね上がった。その一方でGDP成長率は鈍化し続けており、一層の鈍化が見込まれる。これは信用と成長の関係が崩れ、ますます多くの資金が債務の借り換えと投機に流れていることを示す。

 鈍化の一途をたどる成長をてこ入れするために、いつまでも信用を増やすという路線を続けることは選択肢になかった。これは投資の効率化と消費の拡大を中国経済のけん引役にするという政府の目標にもそぐわない。

 銀行に市場の規律を課すことには痛みを伴うが、信用創造の鈍化は、既に落ち込んでいる経済成長ペースが一層減速することを意味する。だが、さらに深刻な危機を未然に回避し、中国経済の成長を持続可能な軌道に乗せるには支払いがいのある代価だ。
(引用元:ダウ・ジョーンズ)