急落によるポジション整理がさらなる下落を呼ぶ
東京株式市場は5月23日の急落後の余震が断続的に発生し、下値不安が強まっています。6月のSQ(特別清算指数)が接近し、強気のポジション(先物買い、プット・オプション売り等)を組んでいた投資家のヘッジ、敗戦処理が続いていることが主因でしょう。
また、SQとは関係なく、今回の急落で追証絡みのポジション調整を余儀なくされている信用個人も多いと観測され、そのような売り圧力が相場全体を押し下げています。
また、デリバティブ組に関しては、6月3日夜間立会から適用される225先物1枚当たりのSPAN証拠金額が、これまでの66万円から96万円に引き上げられます。デルタをロングに傾けている投資家で投資資金に余裕がない投資家は、先物価格の下落とSPAN証拠金引き上げのダブルパンチを浴びることになり、ポジション整理に動かなくてはなりません。
さらに、信用評価損益率は前週末のプラス2.09%から5月24日時点でマイナス5.19%と、日銀が「異次元金融緩和」を決めた4月第1週以来7週ぶりにマイナスに転じ悪化しています。このように、個人信用の手の内は劇的に悪化したのです。
ちなみに、5月24日申し込み時点の信用取引の買い残高は3兆1010億円で、前週比2329億円増です。金額ベースでの増加は7週連続で、2007年12月以来、5年5カ月ぶりの高水準に積み上がったのです。将来の売り予約の買い残がここまで積み上がって、かつ、評価損益率が悪化しているのですから、そう簡単に買い残の整理がつくとは考え難いですね。
一方、24日時点の裁定買い残(期近・期先合計)は前週比3785億円減少し、3兆9357億円でした。減少幅は3月8日の4230億円以来、約2カ月半ぶりの大きさで、残高が3週ぶりに節目の4兆円を下回ったことはポジティブ材料です。ただし、前週17日時点の裁定買い残は07年3月以来約6年2カ月ぶりの高水準だったことを考慮すると、当面は裁定解消売りが出て、指数の下落ピッチが加速し易い状況が続く公算が大きいとみておく必要があるでしょう。
目先の底は来週中。高値から下落率の高い銘柄を買え!
そうはいっても、デリバティブ系の敗戦処理自体は否応なく、14日のSQで強制的に清算させられます。このため、来週(10日~14日)中には、デリバティブ絡みの敗戦処理は一巡する結果、日経平均は目先の底を入れるとみています。
押し目を待っていた投資家の方、お待たせしました(笑)日本株を買う準備をしてください。まずは、「リターン・リバーサル」狙いです。5月23日の高値からの下落率の高い貸借銘柄を狙いましょう。
また、高値で買った現物株を保有し続けている方も、SQを通過すれば、一息つけると思います。評価益が日を追うごとに減少したり、評価損が膨れたりして、フラストレーションが溜まったかもしれませんが、私の相場想定通りなら、SQ後は、順調な相場全体のリバウンドを背景に、5月23日以降とは全く逆の景色が広がるはずです。
なお、日経平均の5月23日高値1万5942.60円はもしかしたら、年内高値になるかもしれない価格です。このため、リバウンドが始まったら、お腹いっぱいに株を買った方は、どこまで戻ったら、これだけ売ろうという風に、予め、リスクを管理することを前提にした投資戦略に練り直すことをお勧めします。
今年11月まで緩やかに調整は続く
5月23日をもって、昨年11月以来の「株」という名前が付けば何でも上がるという「猿相場」は終了しました。当面は、人間ならではの理性を持った冷静な投資を心がけましょう。
ところで、制度信用の弁済期限は6カ月です。積み上がった信用残の整理は5月23日から半年後に一巡するとみています。つまり、11月になってようやく、信用需給が改善し、相場が底入れする見通しがつきます。
以上のことから、現在のザックリとした私の相場想定は、5月23日が「1番天井」、今週から来週にかけて「ネックライン」を形成、その後、5月23日に対する「2番天井」形成へ。2番天井形成後は、本格的な調整が始まり、その調整は時間的には11月まで続くというものです。
(引用元:zai)
東京株式市場は5月23日の急落後の余震が断続的に発生し、下値不安が強まっています。6月のSQ(特別清算指数)が接近し、強気のポジション(先物買い、プット・オプション売り等)を組んでいた投資家のヘッジ、敗戦処理が続いていることが主因でしょう。
また、SQとは関係なく、今回の急落で追証絡みのポジション調整を余儀なくされている信用個人も多いと観測され、そのような売り圧力が相場全体を押し下げています。
また、デリバティブ組に関しては、6月3日夜間立会から適用される225先物1枚当たりのSPAN証拠金額が、これまでの66万円から96万円に引き上げられます。デルタをロングに傾けている投資家で投資資金に余裕がない投資家は、先物価格の下落とSPAN証拠金引き上げのダブルパンチを浴びることになり、ポジション整理に動かなくてはなりません。
さらに、信用評価損益率は前週末のプラス2.09%から5月24日時点でマイナス5.19%と、日銀が「異次元金融緩和」を決めた4月第1週以来7週ぶりにマイナスに転じ悪化しています。このように、個人信用の手の内は劇的に悪化したのです。
ちなみに、5月24日申し込み時点の信用取引の買い残高は3兆1010億円で、前週比2329億円増です。金額ベースでの増加は7週連続で、2007年12月以来、5年5カ月ぶりの高水準に積み上がったのです。将来の売り予約の買い残がここまで積み上がって、かつ、評価損益率が悪化しているのですから、そう簡単に買い残の整理がつくとは考え難いですね。
一方、24日時点の裁定買い残(期近・期先合計)は前週比3785億円減少し、3兆9357億円でした。減少幅は3月8日の4230億円以来、約2カ月半ぶりの大きさで、残高が3週ぶりに節目の4兆円を下回ったことはポジティブ材料です。ただし、前週17日時点の裁定買い残は07年3月以来約6年2カ月ぶりの高水準だったことを考慮すると、当面は裁定解消売りが出て、指数の下落ピッチが加速し易い状況が続く公算が大きいとみておく必要があるでしょう。
目先の底は来週中。高値から下落率の高い銘柄を買え!
そうはいっても、デリバティブ系の敗戦処理自体は否応なく、14日のSQで強制的に清算させられます。このため、来週(10日~14日)中には、デリバティブ絡みの敗戦処理は一巡する結果、日経平均は目先の底を入れるとみています。
押し目を待っていた投資家の方、お待たせしました(笑)日本株を買う準備をしてください。まずは、「リターン・リバーサル」狙いです。5月23日の高値からの下落率の高い貸借銘柄を狙いましょう。
また、高値で買った現物株を保有し続けている方も、SQを通過すれば、一息つけると思います。評価益が日を追うごとに減少したり、評価損が膨れたりして、フラストレーションが溜まったかもしれませんが、私の相場想定通りなら、SQ後は、順調な相場全体のリバウンドを背景に、5月23日以降とは全く逆の景色が広がるはずです。
なお、日経平均の5月23日高値1万5942.60円はもしかしたら、年内高値になるかもしれない価格です。このため、リバウンドが始まったら、お腹いっぱいに株を買った方は、どこまで戻ったら、これだけ売ろうという風に、予め、リスクを管理することを前提にした投資戦略に練り直すことをお勧めします。
今年11月まで緩やかに調整は続く
5月23日をもって、昨年11月以来の「株」という名前が付けば何でも上がるという「猿相場」は終了しました。当面は、人間ならではの理性を持った冷静な投資を心がけましょう。
ところで、制度信用の弁済期限は6カ月です。積み上がった信用残の整理は5月23日から半年後に一巡するとみています。つまり、11月になってようやく、信用需給が改善し、相場が底入れする見通しがつきます。
以上のことから、現在のザックリとした私の相場想定は、5月23日が「1番天井」、今週から来週にかけて「ネックライン」を形成、その後、5月23日に対する「2番天井」形成へ。2番天井形成後は、本格的な調整が始まり、その調整は時間的には11月まで続くというものです。
(引用元:zai)