2010年4月23日金曜日

年収300万円で自動的に100万貯めるモデルプラン

勤務先 手取り月収 215,000円
貯金 75,000円

 長期的に貯める口座と、短期的にプールする口座を必要に応じて分けておけば、不測の事態による長期預金の取り崩しが防止できる

▼(1)長期的に貯めるための口座 50,000円

 財形貯蓄や社内預金、積立定期預金など。「多少リスクが取れるなら、ほったらかしにしておける積立投資信託がおすすめ。1000円単位から積み立てられます」(藤川氏)。カブドットコム証券のように、主な都市銀行の口座から積立金を直接引き落とせるとラク

▼(2)近々使うお金のプール用口座 25,000円

 2年も前からわかっているのに、家賃更新時期になって「更新料が払えない!」と騒ぎ出すのが人の性。入り用になるのが明らかなお金は、前もって積み立てておこう。多めに積み立てれば旅行や不意の冠婚葬祭に充てることもできる

▼(3)決済用口座 90,000円

 家賃や光熱費などの固定費は、使い込みを避けるために単独の決済用口座に。家賃以外は月によって金額が変わるため、多めに取り分けておき、余った分を年1回のボーナスにするのも楽しい。家賃7万円、光熱費1万円、ネット5000円、携帯5000円で計算

▼(4)生活費 50,000円

 生活費を先に決めるのではなく、「手取り月収-((1)+(2)+(3))」を生活費に充てるというのが貯蓄家の鉄則。つまり「毎月いくら貯めたいか」というビジョンを明確に持つことが大切なのだ。目的なくして貯蓄なし、である

75,000円×12カ月=900,000円

スライド式貯金による“ボーナス”

+ 100,000円

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1,000,000円

■人気FPにがっつり学ぶ「確実に貯める仕組み」
(1)のポイント

 世の貯蓄家たちが揃って実践しているのが「複数の銀行口座を使い分ける」こと。口座が一つきりだと、うっかり散財した揚げ句に光熱費分を使い込んでしまい、補填のために貯金を切り崩さざるを得なくなった…などの失敗が起こり得るからだ。

 右に、口座分けの代表的なモデルを示した。メインバンクはハブとして活用。そこから、(1)長期的に貯めるための口座(老後の資金など、10年単位で手をつけないつもりのお金)、(2)近々使う予定のお金(賃貸住宅の更新料など)を一時的に積み立てるための口座、(3)家賃や光熱費などの固定費決済用口座、この3つに入れる予算を先に決めて、それぞれ振り分けていく。そのうえで、余った現金を生活費に充てるのだ。

 生活費を使って余った分を貯蓄に回すのではなく、先に貯蓄分を取り分けてから残りのお金で生活するという『仕組み』を作ることで、確実にお金を貯めていくことが可能。

 この「仕組み」を円滑に運営していくためにはコツがある。キーワードは「自動引き落とし」。

 「特に(1)の長期貯蓄用口座については、強い意思がないと、毎月自分の手で口座振替を行うことが億劫になります。『今月は使っちゃおうかな』という心の誘惑にも負けかねない。

 王道ですが、財形貯蓄や社内預金を導入している企業に勤めているのであれば、これらを積極的に利用すべき。確実に給料から引かれるし、手数料もかかりません。金利は低いですが、より長期的な投資に向けての元本を作るという意味では手堅い」

 勤め先で財形に入れない場合は、積立定期預金などが選択肢に。

 「新生銀行や住信SBIなど、金利が有利なネット銀行の商品に注目したいのですが、メインバンクから振り込む際に手数料がかかってしまうと、高金利のメリットが薄れてしまう。給料の振込先を、これらのネットバンクに設定できればベスト。都銀の場合、メインバンクに向いているのはみずほ銀行。他行への振込が無料になる条件が、ほかと比べて甘い(口座に50万円以上の残高があれば、月3回まで無料)」