2013年6月14日金曜日

ドル95円付近で不安定、金融機関の円転玉が相場圧迫

 正午のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の95円付近。日経平均株価が伸び悩む中で、輸出企業の売りや国内金融機関の円転玉が相場を圧迫した。

(以下引用)
麻生太郎財務相が法人税率の引き下げに否定的な見方を示したことも、海外勢の失望売りを誘ったという。

<ボラティリティ高く取引で手控え>
正午までのドル/円は引き続き不安定な動きとなった。オセアニア時間には株反発への期待感から95.80円まで上昇したものの、輸出企業の売りや国内金融機関による償還金などの円転玉が上値を圧迫、仲値公示後に一時94.43円まで下落した。

大手邦銀関係者によると、麻生太郎財務相が法人税率の引き下げに否定的な見方を示したことも、海外勢の失望売りを誘ったという。

午前10時半過ぎに伸び悩んでいた日経平均株価が持ち直してくると、ドル/円にもショートカバーが入り、95円台を回復したが、上値を追う動きは限られている。

市場では「このところボラティリティが高いので、取引を手控える動きも目立つ。このままスルスルと上がっていくとは考えにくく、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは不安定な値動きになる可能性が高い」(国内金融機関)と警戒する声が出ていた。

テクニカル的には「日足の一目均衡表で雲の下限と転換線が97.10円付近で重なっており、これを上抜けていくような感じではないだろう」(国内証券)との声があった。

  <5月日銀会合では国債売却に警戒>

日銀が5月21─22日に開催した金融政策決定会合で、多くの委員が「債券市場のボラティリティーの高い状態が続くと、銀行等の金融機関の抱える金利リスク量の増大を通じて、国債売却の動きが一段と増幅される恐れがある」と指摘したことが14日公表の議事要旨で明らかになった。

これに対して、財務省出席者は「量的・質的金融緩和のもと、日銀が多額の国債買い入れを行うことにより、債券市場に影響が生じ得ることは確かだ」として、日銀に適切な対応を求めた。 円相場が落ち着かない一因として、債券市場の動揺が収まっていないことを挙げる市場関係者は多い。
(引用元:ロイター)