2013年6月9日日曜日

世界経済の成長率は2%半ば、イノベーションにも新陳代謝が必要=内閣府

内閣府は9日、世界経済の現状や見通しを分析した報告書「世界経済の潮流」をまとめ、今年の世界経済の実質成長率は2%半ばとの見通しを示した。

米国の緩やかな回復を受けて、年後半にかけて次第に底堅さが増すシナリオを描いた。

リスク要因として挙げたのは、中国経済の再減速と欧州債務危機の再燃。中国は不動産価格の過熱、欧州では雇用情勢の悪化などに警鐘を鳴らしている。
報告書では、リーマン・ショックなど世界金融危機の影響で、主要国の経済成長に構造変化が起こった可能性も検証。同時に、今後の経済成長のポイントとして各国の「イノベーション」の現状を考察した。

考察では、サービス大国の米国や製造業の強い独、IT(情報技術)の盛んなフィンランド、韓国など複数国を例に挙げて多角的に分析。結果、1)起業などの制度環境やインフラ設備の充実、2)企業や政府、研究機関など幅広い主体が関わる機会の創出、3)ブランド戦略──などが重要だと結論づけた。「イノベーションは絶えず世界の潮流変化や、他国との競争にさらされる。過去の成功体験に固執せず、新陳代謝を常に怠らないことが重要だ」などと指摘した。