2013年5月30日木曜日

世界景気先行きの不透明感などから先物売りが主導し、日経平均は今年2番目の下げ

30日の東京株式市場は3日ぶりの反落で、全面安の展開となった。

日経平均株価の終値は前日終値比737円43銭安い1万3589円03銭。TOPIXは同44.45ポイント安の1134.42。日経平均は今年2番目の大幅な下げ。

前日の欧米株安、為替市場が円高に傾いていることなど複数の悪材料に加え、世界景気への先行き懸念も浮上して、日経225先物の売りが主導して現物の売りを誘う展開となった。東証1部の売買代金は概算で3兆3708億円、出来高は44億7963万株だった。

前日の米国ニューヨーク市場は、ダウ工業株30種平均が3営業日ぶりに反落した。量的金融緩和の早期縮小への懸念などから幅広い銘柄に利益確定売りが出て、前日比106ドル59セント(0.7%)安の1万5302ドル80セントで終えたのを受け、今朝の日経平均は前日比253円安の1万4072円で寄り付いた。その後1万4000円を挟んだ値動きとなったが、結局、前日終値比393円54銭安の1万3932円92銭と足元の安値のメドと見られていた1万4000円台を割り込む大幅安で前場を折り返した。

昼のバスケット取引は329億円が成立し、売買は「買いがやや優勢」と伝えられた。

後場寄りの日経平均は、前引け値よりわずかに高い1万3946円で寄り付いた。その後、13時台に日経平均の先物にまとまった売り物が出ると、現物が売られて日経平均が下げ、日経平均が下げるとさらに先物の売りが出て現物の売りを誘発するという展開となった。結局、終値737円安という今年2番目の下げ幅で引けた。

足元の悪材料を見てみると、米国の量的金融緩和政策の出口論が議論されるなど、FRBが近く緩和縮小に踏み切るのではないかという見方がじわじわ広がっていること、日米の長期金利が上昇していること、経済協力開発機構(OECD)が29日、世界経済の成長見通しを下方修正したことから、欧州を中心とした世界景気の先行きへの不透明感が急速に強まってきていること、月末接近で投資家が新たな買いに出にくい状態にあることなどが挙げられる。

東証1部で値を上げたのは、全体のわずか3.6%の62銘柄。値下がりは1640銘柄(同95.5%)、変わらずが14銘柄(同0.8%)。業種別では、東証33業種中値を上げた業種はゼロ。一方、不動産、倉庫、その他金融、電気・ガスの順で全業種が値を下げた。

銘柄別では、神栄、東京特殊電線、群栄化学工業などが買われたが、コープケミカル、ファーストリテイリング、アサックス、澁澤倉庫などが売られた。

今後の注目点は、安倍晋三内閣がまだ明示していないアベノミクスの3本目の矢である成長政策の具体的内容。市場のアベノミクスへの期待感はまだ根強いことから、どのような内実を伴った政策が示されるのか、内外の注目が集まっている。