2013年5月21日火曜日

テーマは「出遅れ」

 日経平均は小幅に続伸。20.21円高の15381.02円(出来高概算62億5000万株)で取引を終えた。

週明けの米国市場の下げや為替市場での円安一服を背景に、利益確定の売りが先行し、日経平均は寄り付き直後に一時15264.42円まで下落。しかし、その後、円相場が円安に振れると、利益確定に押されていた主力銘柄に切り返す動きがみられ、日経平均もプラスレンジを回復し、連日で年初来高値を更新。

 ただ、ソフトバンク<9984>、ファーストリテイリング<9983>が弱い値動きとなり、これが日経平均の上値の重しに。その後は前日の価格レンジ内でのこう着感の強い相場展開が続いた。

物色の流れは、経産省が再生可能エネルギーの導入を促すため、住宅の屋根を借りて太陽光パネルを設置する企業に低利融資する新たな制度をつくるとの報道を受けて、太陽光関連にはストップ高銘柄が相次いでいる。また、GSユアサ<6674>がストップ高となるなど、電池関連が一斉高となった。三菱自<7211>はストップ高となり、出来高は1社で10億株を超えている。

 20日の原発関連、シェールガス関連の急騰に続いて、今日は太陽光関連、次世代電池関連が乱舞している。経産省による太陽光パネルの優遇制度など、昨年11月以前の相場環境ならばストップ高になる材料ではなかったと考えられる。GSユアサ、三菱自の材料についても、ストップ高をつけるほどではないだろう。そのため、個人投資家の需給は相当良好と考えられる。

 また、原発関連や太陽光関連、次世代電池関連など、目新しい材料ではないが、共通面では相対的に出遅れている銘柄であること。全体相場が底上げの動きをみせてり、物色の圏外に置かれがちだったテーマや長期低迷が続いていた銘柄などには水準訂正の流れが意識されてきている。古河電池<6937>、日本電工<5563>、戸田工<4100>などをみても、長期的に調整が続いていた銘柄である。

セクターでみても、海運や鉄鋼など、相対的に出遅れている。先高感の強い相場展開が続くなか、買い遅れた投資家なども、割安感のある銘柄や株価水準で出遅れている銘柄への物色を強めやすいであろう。テーマは「出遅れ」となる。