日経平均株価 が5年5カ月ぶりの高値をつけた20日時点では94社となり、リーマン・ショック前の2007年末(107社)以来の水準となった。富士重工業 やユニ・チャーム など業績好調組が新たに登場したほか、円安や株高の追い風を受けて再び1兆円超に増えた企業も多い。
1兆円超の企業は、野田佳彦前首相が衆院解散を表明した昨年11月14日時点では47社だった。ここまでの約半年で東証1部の時価総額は75%増え、1兆円超企業の数は2倍になった。
今回の株高局面で時価総額が初めて1兆円を超えたのは、富士重工業、ガンホー・オンライン・エンターテイメント 、ユニ・チャームの3社。富士重は軽自動車の生産から撤退し、北米で多目的スポーツ車「フォレスター」などに経営資源を集中。円安効果も出て利益が急増している。
20日 | 昨年 11月14日 | |
ソニー | 2.18 | 0.87 |
富士重※ | 1.98 | 0.59 |
大和 | 1.75 | 0.54 |
ガンホー※ | 1.45 | 0.07 |
OLC | 1.39 | 0.98 |
ユニチャーム※ | 1.33 | 0.86 |
マツダ | 1.33 | 0.32 |
東レ | 1.21 | 0.71 |
※は新たに1兆円超になった企業
順 位 |
20日 | 昨年 11月14日 | |
---|---|---|---|
1 | トヨタ | 22.72 | 10.55 |
2 | 三菱UFJ | 9.89 | 4.88 |
3 | ホンダ | 7.74 | 4.24 |
4 | JT | 7.58 | 4.39 |
5 | ソフトバンク | 7.3 | 3.06 |
6 | NTTドコモ | 7.23 | 4.96 |
7 | NTT | 7.06 | 4.86 |
8 | 三井住友 | 6.66 | 3.34 |
9 | 日産自 | 5.53 | 3.09 |
10 | みずほ | 5.38 | 2.93 |
再び大台を回復した「復活組」には、円安・株高の追い風を受けた企業が目立つ。輸出採算の改善期待などでソニー は14年3月期にテレビ事業の黒字化を見込む。大和証券グループ本社 は株式売買の手数料が増え、第一生命保険 は保有株の含み益が増大したことが株価上昇の要因。
一方、オリエンタルランド や東レ 、SMC は独自の技術などで強みを発揮している。東京ディズニーランド開園から30周年を迎えたOLCはリピーター客を呼び込むサービスのノウハウを蓄積。東レは炭素繊維 、SMCは空気圧機器でトップシェアを持つ。東京電力 も福島第1原子力発電所の事故(11年3月)以来となる1兆円を回復した。
この日は取引時間中に一時、日野自動車 が1兆円を上回るなど「予備軍」も増えている。
20日時点の時価総額ランキングは、トヨタ自動車 が約22兆円で首位。