2013年5月24日金曜日

「上昇相場はいったん終わり!?」 乱高下した後の相場にどう対処すべきか?

23日の日経平均は前日比1143.28円(7.32%)安の1万4483.98円と、前日比の下落幅は2000年4月以来、13年1カ月ぶりの大きさで歴代11位、下落率の大きさは歴代10位となりました。

 翌24日も、日経平均は乱高下しました。1日の値幅は1025.98円と連日で1000円超に達しました。24日の日経平均は前日比128.47円(0.89%)高の1万4612.45円と反発したものの、13時45分に13981.52円まで急落する場面がありました。ただ、節目の1万4000円を割り込んだことで、一応達成感が出たようで、一転して値ごろ感からの押し目買いや売り方の買い戻しが優勢になりました。

(以下引用)
昨年11月からの上昇はいったん終了したと考えるべき

 23日の相場急落の背景は、22日のバーナンキFRB議長が議会証言の質疑応答で、景気指標の改善が続けば「今後数回のFOMCで証券購入額を減らす可能性がある」と発言したことや、FOMC議事要旨(4月30日〜5月1日開催分)で、複数の議員が、早ければ6月にも資産購入を減額したいとの意向を示していたことが明らかになったためです。

 そして、23日、HSBCが発表した5月の中国のPMI速報値は49.6と、前月の確報値の50.4から0.8ポイント低下しました。2カ月連続で前月を下回り、節目の50を2012年10月以来7カ月ぶりに下回りました。

 さらに、新発10年物国債(328回債)の利回りが一時1.000%と、前日比0.115%上昇し、新発10年債としては2012年4月5日以来、1年2カ月ぶりに1%台に乗せました。これらも嫌気されました。

 23日の急落と24日の乱高下を受け、動揺している個人投資家は多いことでしょう。まず、結論から言えば、昨年11月中旬からの上昇はいったん23日の急落で終了したと考えます。

 目先は短期調整に入り、調整一巡後、再び、上値を目指すという展開がメインシナリオです。日経平均は野田佳彦首相が12年11月14日に衆院の解散を明言した以降、調整らしい調整がないまま、23日までほぼ一本調子の上昇となりました。

具体的には、12年11月13日終値は8661.05円、13年5月23日高値は1万5942.60円です。上昇幅は7281.55円です。チャート上の押し目メドは、3分の1押しの1万3515.42円、38.2%押しの1万3161.05円、半値押しの1万2301.83円、61.8%押しの1万1442.60円などが挙げられます。

 ですが、3分の1押しの1万3515.42円を前に、日足ベースの一目均衡表の基準線(24日現在1万4473.53円)、25日移動平均線(同1万4302.71円)、週足ベースの一目均衡表の転換線(同1万3874.19円)などのサポートが控えています。今後、これらのサポートを終値で割り込むようだと、最大で3分の1押しの1万3515.42円までの下落は覚悟するべきでしょう。

タイプ別、これからの相場への対処法

このような相場想定のもと、個人投資家は、慌てて押し目買いはするべきではないと思います。現在は、中期上昇局面の短期的な調整局面です。慎重に、目先の底値がどこなのかを見極めてから、押し目買いをするべきです。

 なお、高値掴みした現物株を保有し、増加する評価損に耐えている個人投資家は、現在の株価水準では時既に遅しです。嵐が去るのをじっと待つしかありませんね。日経平均の下値メドは前述の3分の1押しの1万3515.42円を前提にすれば、たかだか1000円程度と、自分に言い聞かせるしかありませんね。ただし、今度の戻り局面後の調整局面では、「損切り」を励行しましょう。

 一方、信用取引で追証リスクを抱えている投資家はなるべく早く、ポジションを軽くするべきです。現物の投資家は嵐が去るのをじっと待つという悠長な手法もありですが、借金して株を買っている個人は、予想が外れて相場の押し幅が深刻化した時の最悪の事態に備えるべきです。具体的には、担保は代用有価証券でなく現金だけにした上で、維持率を少なくとも50%以上を維持しましょう。

 逆に、現在ノーポジで買い場を待っている個人は、慌てて買わず、底入れがある程度みえてきたタイミング、もしくは、短期的に売られ過ぎの状況でエントリーしましょう。現時点では、6月14日のSQ前後に買い場がやってくるのかなと、現時点ではイメージしています。レベル的には3分の1押しの1万3515.42円付近が1番有力ですが、万が一深押すようなら半値押しの1万2301.83円もあるとはみています。

 ただし、日経平均が5日移動平均線(24日現在1万5093.10円)を安定的に上回って推移するようなら、24日の1万3981.52円が目先底になり、現在危惧している深刻な調整相場は訪れることなく、再び、良好な投資環境に移行することになるとみておく必要があります。ですが、その可能性は現時点では低いとみています。
(引用元:zai)