2013年9月30日月曜日

9/30売られすぎ!? 「割安株」トップ200 『会社四季報』夏号発売!暴落で1株純資産割れ銘柄急増

 5月下旬からの大暴落。その後も、日本株の株価の下落は止まらず、6月6日には日経平均株価が1万3000円も割り込み、翌7日には1万2900円も割った。5月22日終値に対して、6月7日終値は2750円、17.6%も下落した計算になる。特に、この期間の国内新興株の下落はきつく、東証マザーズ指数は26.3%下落。同指数が高値をつけた5月14日終値から計算すれば36.4%も下落したことになる。
 この期間は日本株以外でも世界同時株安となったが、株価下落の大きな要因となったQE3(金融量的緩和策)の早期縮小を示唆する地区連銀幹部の発言が相次いだ米国では、NYダウが0.4%の下落とほぼ横ばい、ナスダックに至っては0.2%のプラスだった。もちろん、急落した地域は多く、香港ハンセンは7.3%、英FTSEは6.3%、独DAXの3.2%、それぞれ下落したが、それらと比べても日本株の下落はきつかった。

株価急落で割安感が浮上

 他市場より上昇が大きかったから下落もきつかったといえるが、さすがにここまで下がってくると、株価にも割安感が出てくる。

 株価の割安度を図る指標のひとつがPBR(株価純資産倍率=株価÷1株純資産)。1株当たり純資産に対し株価がどの水準にあるかを示すものだ。

 このPBRが多くの企業で1倍割れに陥っている。PBR1倍割れとは「株価が解散価値を下回っている」ことを意味する。6月7日終値で算出したところ、算出可能な上場企業のうち6割以上でPBRが1倍割れとなっていたのだ。

 PBRが算出可能な3523社で分布を見てみれば、0.5倍未満が全体の20.5%、0.5倍以上1倍未満が同40.1%で、1倍割れの合計では全体の60.5%(2100社)を占めた。ちなみに1倍以上1.5倍未満が同16.7%、1.5倍以上2倍未満が同8.4%、2倍以上が同14.4%だった。

 今回、東洋経済オンラインでは、今期の増益が見込まれる、自己資本比率20%以上で時価総額500億円以上の主力企業を対象に、PBRでランキングをしてみた。前2013年3月期決算で財務を改善させた企業も少なくなく、その分、株価の割安度が増している。

低PBR上位で目を引くのは富士フイルム、JX
 ランキング上位で目を引くのが11位の富士フイルムHD。時価総額1兆円以上、自己資本比率60%超であり、今期は23%の営業増益予想。それがPBR0.5倍と株価は解散価値の半分に低迷。5月22日に2477円だった株価は6月7日には1956円と21%下落している。
 23位に入ったのがJXホールディングス。ガソリンスタンドのENEOSでも有名な石油精製最大手。金属事業も大きい時価総額1.1兆円の有力企業。ROEは8%を超える。株価は5月22日終値で577円をつけたが、その後続落して6月7日に444円をつけ、23%の下落となった。このため、PBRは0.57倍を低かった。

総合商社大手も割安放置
 時価総額2兆円を超える総合商社の大手2社、三菱商事と三井物産もPBR0.7倍以下という割安圏に顔を出した。借入金も大きいが、純益も巨額。今期はそれぞれ4000億円、3700億円という純益予想だ。PER(株価収益率)も10倍を大きく下回る水準が続いている。株価は5月22日からそれぞれ16.8%、20.8%下落している。住友商事も0.74倍と低かった。
 時価総額6兆円超、国内通信のガリバーのNTT(日本電信電話)も0.69倍と割安だった。今期も小幅ながら増益が見込まれる。内需企業で円安によるネガティブ要因は輸出関連株ほど小さくなさそうだが、5月22日に5390円あった株価は6月7日には4825円まで10.5%下落した。

トヨタ本体は1倍割れ回避も、その大株主は0.78倍と割安
 時価総額トップのトヨタ自動車の源流であり、同社の大株主でもある豊田自動織機もPBR0.78倍に低迷した。トヨタ自動車は1.43倍と1倍割れは回避しているが、自動車業界全体として割安訂正は進んでいないようだ。

高炉大手の実力、任天堂の低迷
 時価総額2兆円を超えた鉄鋼最大手の新日鉄住金は0.9倍とライバルを上回った。高炉でPBRが低かったのは、同じく合併で新スタートを切った日新製鋼HDの0.47倍。時価総額889億円だった。次いでJFEホールディングスの0.71倍と、神戸製鋼所の0.72倍が並んだ。
 任天堂も0.97倍とギリギリながら1倍割れを喫した。業績は低迷が続いたが、財務内容は良好。自己資本比率84.8%、流動比率は566%。手持ち資金も豊富なキャッシュリッチだ。5月22日に1万1220円と1万円を超えていた株価は6月7日、9300円に沈んだ。
 ただ、急激に下げた株価は、戻りも早いといわれる。業績優良企業にとっては、PBR1倍割れは“異常株価”といっても過言ではない。株式相場が落ち着きを見せるとともに、早期に修正される可能性も高そうだ。(引用元;東洋オンライン)