2013年9月20日金曜日

9/20利食いは想定内、連休前だが市場はリスク・オンに

[株式オープニングコメント]
 20日の東京市場は堅調な展開が期待される。19日の米国株式相場は、量的緩和の縮小見送りを好感した前日の大幅上昇に対する利益確定の流れから、高安まちまちだった。ただ、米国の利食いの流れは想定内であり、一方でシカゴ日経225先物清算値は大証比150円高の14830円に。円相場は1ドル99円40銭、1ユーロ134円50銭辺りと、円安傾向で推移しており、日経平均はギャップ・アップから戻り高値を更新してくるとみられる。

 政府が来年4月の消費増税に向けてまとめる経済対策の骨格が報じられている。企業減税は復興特別法人税の前倒し廃止と投資減税で約1兆4000億円以上に。また、予算措置では公共投資を1兆円超とする方向で、総事業規模は5兆円超。企業の競争力を高め、増税に伴う景気失速を防ぐと伝えている。

 また、国土交通省が19日発表した2013年7月1日時点の基準地価は、アベノミクス効果に対する期待を背景に、三大都市圏がリーマン・ショック前の08年以来5年ぶりに上昇に転じた。2020年開催の東京五輪を見据え、臨海部の再開発への期待も盛り上がるなか、物色意欲は強いと考えられる。

 3連休を控えていることもあり、参加者は限られるとみられる。指値状況の薄いなかを、インデックスに絡んだ売買に振らされやすい需給状況になりそうである。ただし、材料株やテーマ銘柄などは五輪関連に買い疲れ感がみられる半面、ゲームやカジノ、バイオのほか、出遅れ感の強い材料株などへの見直しが強まってきている。個人の需給は良好と見られ、循環的な物色が続くだろう。

 また、3連休とはいえ、FOMCなどのイベントが通過しているほか、シリア情勢も小康状態である。連休明け後には25日が3・9月期決算企業の権利取り最終日となり、翌26日には実質10月相場入りとなる。政府の成長戦略第2弾への思惑が高まるなか、持たざるリスクが意識されてくる可能性もありそうだ。連休前ではあるが、市場はリスク・オンといったところか。