2013年8月9日金曜日

日本のカメラメーカー、業績振るわず―ニコンは大幅減益

世界第2位のデジタルカメラメーカーであるニコンは8日、2013年4-6月期の純利益が前年同期比72%減少したと発表した。コンパクトカメラやレンズ交換式カメラの需要が急減したために映像事業が低迷したことが響いた。14年3月期の売上高と純利益の予想も下方修正した。

 同社の伊藤純一副社長兼最高財務責任者(CFO)は記者会見で、今後も厳しい状況が続くとの見通しを示した。                   

今回の決算はデジタルカメラ市場の劇的な変化を改めて浮き彫りにする。スマートフォン(多機能携帯電話)のカメラの品質向上と、写真を即時に共有できるアプリケーション(応用ソフト)の便利さに押され、デジタルカメラの需要はこれまでにないペースで落ち込んでいる。カメラ映像機器工業会によると、13年上半期のデジタルカメラの出荷台数は前年同期比42.7%減少した。12年通年では前年比15%の落ち込みを記録している。

 ニコンの4-6月期の純利益は44億3000万円と、前年同期の157億7000万円から減少した。売上高は7.9%減の2389億8000万円だった。

 14年3月期については、純利益予想を3カ月前に発表していた予想から23%引き下げて500億円に、売上高予想も6%引き下げて1兆0400億円とした。

 カメラ市場で最も売り上げが落ち込んだのは、品質の点でスマホに最も近いとされるエントリーレベルのコンパクトカメラ。しかし、ニコンによれば、より収益力の高いレンズ交換式カメラの売り上げも減少している。この中には同社の代表的な製品である一眼レフカメラと、いわゆる「ミラーレス」カメラも含まれている。

 14年3月期のレンズ交換式カメラの売上高予想は5月発表の従来予想から8%引き下げて655万台、コンパクトカメラは18%引き下げて1150万台に修正した。

 レンズ交換式カメラ分野については、ミラーレスカメラへの需要が期待外れだったと指摘した。ミラーレスカメラは、一眼レフカメラに使われる鏡をベースとした従来型のファインダーシステムを使わないため、より小型にできることからこう名付けられた。

 一方、同業のオリンパスもミラーレスカメラの売り上げが同社自身の予想に届かなかったことを明らかにした。ただし、通期の売り上げ目標は達成できるとの見方を維持している。同社は今年5月にカメラ事業で製造拠点の統合や製品モデルの絞り込みなどといった広範な事業再編を実施すると発表している。

 4-6月期のカメラ事業の損失は前年同期から縮小し、同社全体の損失縮小に貢献した。同社全体の純損失は18億3000万円と、前年同期の44億5000万円から減少した。同社は依然として長期にわたる不正会計問題で失った信頼回復の途上にある。

 ミラーレスカメラの売り上げ不振は、ミラーレスがコンパクトカメラの不振を相殺する道の1つだと考えているメーカーが少なくないだけに、憂慮すべき兆候と言える。だが、より多くのメーカーがレンズ交換式カメラ市場に照準を合わせているため、競争が激しくなっている。

 ニコンは調達、開発、それにマーケティングのコストを約200億円削減してカメラ事業の収益性を改善する計画を発表したほか、より利益率の高いエントリーレベルの一眼レフカメラを発売することを明らかにした。

 同社はこういったコスト削減の結果、13年度下半期の映像事業(レンズ事業を含む)の営業利益率が12.5%に達するとの見通しを示した。上半期の営業利益率の予想は7.9%だった。