2013年9月16日月曜日

17日からのFOMC、三つの脅威に直面

DJ-17日からのFOMC、三つの脅威に直面
 米連邦準備制度理事会(FRB)は17、18の両日、公開市場委員会(FOMC)を開くが、今回は少なくとも三つの経済的不透明さに直面することになる。一つは上昇する米金利、二つめは外国での不安情勢、それにワシントンでの長期的な予算戦争だ。

 この三つは全て今後数カ月の米経済を抑制する可能性がある。FRBが直接影響を与えられるのはこのうちの一つだけだ。

 この脅威に対するFRBの評価が、これまで市場および米経済の主要な部分を支えてきた月間850億ドル(8兆4000億円)の債券購入プログラムの縮小に関する決定を形作ることになる。これは、過去4年間の景気回復がFRB自身の見通しに沿わないものになる中で、FRBの経済見通しを特に重要なものにする。

 BNPパリバのエコノミスト、ジュリア・コロナド氏は「FRBにとって非常に難しい決定だ」とし、「FRBは成長の加速を予想していたが、実際はそうなっていない」と話した。

 FRBのコントロールがきく金利に関しては、初期の証拠が政策立案者たちを慎重にさせる可能性がある。

 金利はFRBが債券購入プログラムを縮小するとのシグナルを送ったことから上昇し、10年物国債の利回りは現在3%程度と、今年5月の2%弱を上回っている。

 雇用と投資の促進を狙った債券購入は、住宅ローン金利を歴史的水準にまで低くし、住宅市場の回復を支援した。債券購入縮小の見通しで同金利は反転し、少なくとも一時的には住宅市場の回復が打撃を受けた。

 住宅以外では、金利上昇による打撃の形跡は依然限られている。自動車販売は急増している。大手企業は低金利を利用し、その多くは現金を豊富に抱えている。しかし、金利の急上昇は小規模企業などその他の企業を抑制する可能性があり、これらの企業は資金調達コストが高まる中で投資を再考するかもしれない。

 元FRBエコノミストであるコロナド氏は「金利上昇の実体経済への影響にはいつも遅れて出てくるものがある」と述べるとともに、「FRBの諸決定は一晩で下されるものではない。おそらくその先には多くの影響が待っている」と語った。

 高金利は必ずしも悪いというわけではなく、それが景気が好調になっていることを示す場合は特にそうだ。多くのFRB当局者は、最近の金利上昇は債券購入プログラムが永遠に続くという非現実的な見方を投資家がやめたことが一因だと見ている。持続的景気回復にはこうした見方をやめることがカギとなる。
 
FRB当局者は1週間前、今週のFOMCは米国のシリア攻撃とぶつかると予想していた。これは、米国の輸出を減らす恐れのある新興国での諸問題に加えて、海外からのもう一つの脅威を意味している。

 これまでの米国の中東地域での介入―1991、2003年のイラク、それに11年のリビア―は、軍事行動の可能性が投資家をおびえさせ、石油価格を押し上げ、米経済の一部の活動を抑えることを示した。その原因は未知への恐怖で、どの場合でも、最も強い恐怖感が後退すると景気は明るさを取り戻した。

 米国とロシアは先週末、シリア問題で外交的解決策を探ることで合意し、これによって直ちに米国が軍事介入するとの見通しは遠のいた。しかし、中東では依然緊張が続いており、これを背景に石油価格は今後も高水準を維持し、また米経済の足を引っ張る公算が大だ。

 03年3月のFOMCで、当時のマクドナー・ニューヨーク連銀総裁は「不透明感でいっぱいの中で、慎重な中央銀行当局者は何ができるのだろうか」との疑問を呈した。当時は米国のイラク進攻の直前だった。議事録によると、マクドナー氏は「慎重な中央銀行当局者というのは、多くのことを考えるが、何もせず、できるだけ口数を少なくし、中央銀行は非常に用心深いが、必要となれば行動を起こすのだということを極めて明確にするのではないか」と述べている。

 FRBは戦争の脅威については今はあまり心配していないかもしれないが、一方で国内の政治リスクは依然として大きく立ちはだかっている。予算をめぐる闘いは3年連続で経済に脅威を与えているのだ。

 下院の共和党指導部は先週、主要な決定を12月まで先送りして、政府機関が10月1日に閉鎖されることのないような措置を取ろうとしたが、同党議員の支持を得られなかった。この問題は連邦政府の債務デフォルト回避のために、10月半ばまでに政府の借り入れ上限を引き上げる上で今後多くのドラマが待ち構えていることを示唆している。

 11年の債務上限引き上げをめぐるドラマは、最終的に予算合意に到達したとはいうものの、米国の信用格付けが引き下げられ、株式市場ではすぐさま相場修正が起こり、企業や消費者の間で信頼感が損なわれることになった。

 元FRBエコノミストのトップで現在はピーターソン国際経済研究所のエコノミストを務めるデービッド・ストックトン氏は、債務上限が引き上げられる公算は依然大きいが、「若干の混乱が起こる可能性はある」と語った。同氏は「たとえデフォルトではなく正しい点にたどり着いたとしても、最終的に若干の害をなし得るというメッセージを彼らが受け取ることを個人的に期待している」と述べた。

 一方で、既存の連邦予算削減は、来年度分も含めて、依然続く公算が大きい。予算をめぐる闘いが来年に持ち込まれれば、米国は中間選挙で政治熱がさらに高くなる前に景気を支援するための多くのことを遂行できなくなりそうだ。このことは、より長期的な予算合意や移民法の大規模改正、インフラへの新規投資ができなくなることを意味する。これらのことは全て、経済成長拡大のために必要だと米当局者がしばしば他の国に求めている、構造的見直しの一種なのだ。

 議会の支援がなければFRB当局者は、ほとんどがFRBの影響力の及ばない外部要因が別の方向に押し流そうとする中で、苦闘する米経済を再生する上で再び居心地の悪い立場に置かれることになる。

 しかし、景気回復がどのように進むのかは外部要因次第だろう。