2013年7月3日水曜日

楽天、開示文書で証券アナリストを痛烈批判

楽天は、東京証券取引所への開示文書を通じてアナリストに屈辱を与えるという、通常めったに見られない行動に打って出た。
(以下引用)
楽天は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒木正人シニアアナリストのリポートを非難し、分析方法を非難した。荒木氏はその中で楽天の投資判断を「ニュートラル(中立)」から「アンダーパフォーム(弱気)」に引き下げた。

荒木氏は6月21日付のリポートで、三木谷氏が政府の産業競争力会議メンバーに加わったことが楽天の株価を押し上げたが、過大評価されているように見えると主張した。

三木谷氏は安倍首相が議長を務める同会議の民間議員に今年初めに指名されて以来、厳格に管理された日本経済の規制緩和と改革に向けた首相の取り組みの最前線に立ち、オープンネス(開放性)と透明性、良識を求めてきた。楽天株は、荒木氏がこのリポートを作成するまでの6カ月で約80%上昇した。これに対し、指標となる日経平均株価の上昇率は25%だ。

楽天は会社名とその下に三木谷氏の名前を記した開示文書で、荒木氏のリポートについて「分析が極めて浅い」と指摘し、「荒木氏による過去及び将来のレポートは当社への投資判断の一助とはなりえないと判断しており、投資家の皆様におかれても参考とされないようお勧め致します」と述べた。

このように企業が公の文書で一アナリストについて語ることは珍しい。企業はアナリストをいじめているように見られたくないと考えるものだ。また、証券アナリストは公平で独立した存在という市場の認識を危うくし、投資家を警戒させるような事態も招きたくはない。例外があるとしても極端な場合に限られる。その一例がソフトバンクのケースだ。

同社は2007年、同社の会計慣習を批判し、バランスシートに会計上の「危険信号」が発見されたと指摘したアナリストリポートをめぐり、カリヨン証券東京支店(CLSA。現クレディ・アグリコル・セキュリティーズ・アジア・ビー・ヴィ)を訴える方針を明らかにした。最終的にCLSAがリポートの一部について謝罪したことで、ソフトバンクは法的措置を取りやめた。

楽天の苦情を受けて荒木氏は1日、リポートを修正し、想定実効税率と株主価値の算出方法を変更するとともに、1株当たり利益(EPS)予想を引き上げた。しかし、「アンダーパフォーム」の投資判断は変更せず、市場は楽天を首相との結び付きから恩恵を得られる立場にある企業とみており、同社株価は楽天の収益力を上回っている、とする自らの意見をあらためて主張した。

荒木氏は10年にわたって楽天を担当していたが、楽天は今後荒木氏のインタビューには一切応じない方針を明らかにした。

「インターネット事業や海外事業の開示されていない数字が多く、仕方がない結果」と荒木氏は述べ、「(楽天をカバーすることは)もう無理だろう。ある意味、すっきりした」と話した。
(引用元:WSJ)