アベノミクスで始まった日本株の反騰相場が正念場を迎えている。6日の東京株式市場で日経平均は4月5日以来約2カ月ぶりに1万3000円を下回った。売り一巡後は買い戻しなどで一時プラスに転じたが、不安定な値動きは続いている。市場ではベアマーケット入りを意味する1万2800円が攻防の分岐点として注目されている。
(以下引用)
<20%超える下落なら危機ライン割り込む>
公的年金買いか日銀ETF(上場投信)買いか――1万3000円割れで始まった東京市場は、寄り後まもなく入った複数回のインデックス買いに色めき立った。下値を崩し切れないとみると短期筋から先物に買い戻しが入り、日経平均は一時200円を超える上昇となる場面もあった。「水準的には公的年金買いが入ってもおかしくない。当局が防衛ラインとして意識している水準に近づいた可能性がある」(準大手証券トレーダー)という。
厳密な定義があるわけではないが、金融市場では一般的に直近の高値から20%以上下落するとベアマーケット(弱気相場)入りしたと言われる。日経平均が5月23日付けた高値1万5942円から20%下落した水準がほぼ1万2800円に相当する。これまでの株価調整は上げ過ぎの反動や短期筋の利益確定売りなどで済まされてきたが、ベアマーケット入りが明確になれば海外長期投資家の運用スタンスにも影響を与えかねない危険ラインだ。中期的な下降トレンドに転換するリスクもある。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏は「景気や企業業績が腰折れしない限り、20%を超える下落は通常起きにくい現象」だと言う。過去においても景気回復期の株安はあった。小泉内閣のもと「いざなみ景気」と呼ばれた中で、日経平均は2006年4月から6月に20%下落したが、調整一巡後はリーマンショック前の2007年高値まで上昇する。1987年10月のブラックマンデー時は20%を超えたが、それでもショック安から直後の安値まで21%下落で下げ止まり、その後はバブル期に突入する。30%を超す大幅下落には例外なく深刻な不況や金融システム危機などが背景にあった。
足元の国内経済は昨年10―12月期に底入れ後、堅調に推移している。1―3月期実質国内総生産(GDP)は個人消費と輸出がけん引し、年率換算プラス3.5%と事前予測を上回った。4―6期以降もプラス成長を見込むエコノミストが多い。一方、14年3月期の企業業績では1ドル97円程度の保守的な為替前提でも前期比30%程度の経常増益予想がコンセンサスになっている。景気や企業業績が上向く中で、このまま株安が持続すれば異例の事態となる。
<カギを握る米量的緩和策の行方>
4月4日の日銀による異次元緩和以降、株高が加速した背景にはグローバル緩和マネーの膨張があった。貿易上不利になる自国通貨高を避けるため、日銀の異次元緩和に続きECB(欧州中央銀行)、インド、デンマーク、ポーランド、韓国、トルコなど10カ国近い中央銀行が利下げに踏み切っている。溢れ出した緩和マネーは今後どう動くのか。カギを握っているのはやはり米量的緩和策の行方だ。「QE1(量的緩和第1弾)、QE2(量的緩和第2弾)の終了で日本株は米国株を超す下落となっただけに今回も神経質にならざるを得ない」(大手証券)という。
前日発表された5月の米ADP民間雇用者数は市場予想を下回ったものの、米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れを早期に縮小するとの懸念が根強く、5日のダウ平均は200ドルを超す下落となった。アムンディ・ジャパンのチーフエコノミストの吉野晶雄氏は「7日の雇用統計発表で当面の材料が出そろい、不透明感は晴れそうだ」とみている。「米国は住宅、個人消費、消費者心理のいずれも強く景気の下振れリスクは乏しい。FRBを心変わりさせるほど強い指標が出るかどうかがポイントだが、基本的には緩和継続の方向性で日米は一致している。日本株の下値余地も限定的だろう」と話している。
(引用元:msn)