2013年11月1日金曜日

11/1ソニー(6758) ソニー、エレキ復活に「黄信号」。今期計画を大幅下方修正、利益横ばい計画は一転して減益に

まさかの大幅下方修正となった。

 ソニーは10月31日、今2014年3月期の通期業績予想の見直しを発表した。売上高は従来の7兆9000億円(前期比16.2%増)から7兆7000億円(同13.2%増)に、本業の儲けを示す営業利益は2300億円(同横ばい)から1700億円(同26.1%減)に引き下げた。

 「PC、液晶テレビ、デジタルカメラ、カムコーダ(ビデオカメラ)の売り上げ台数の見通しの下方修正が、今回の業績見通しの修正へとつながった」。東京・品川のソニー本社で行われた決算説明会の場で、加藤優CFO(最高財務責任者)は通期業績見通しの減額要因を説明した。

 加藤CFOが「ゲームとスマートフォンは従来の想定どおり」と言うように、スマートフォンの「エクスペリアZ」と後継機の「エクスペリアZ1」が好調で、収益改善を牽引している。また、ゲームも年内に欧米で投入する新製品「プレイステーション4」の引き合いが順調だという

 ただ、その裏を返せば、残るエレクトロニクス(エレキ)製品のほとんどが計画未達に陥っていることになる。

 実際、加藤CFOが挙げた製品群の通期売り上げ台数見通しは、3カ月ごとに下方修正を続けている。PCは750万台(5月)→620万台(8月)→580万台(10月)といった案配だ。以下同じく、液晶テレビは1600万台→1500万台→1400万台、デジタルカメラは1350万台→1250万台→1200万台、ビデオカメラは300万台→250万台→230万台。そろいもそろって右肩下がりとなっている。

 しかも、期初段階の売り上げ台数見通しも、決して大風呂敷を広げたものではなかった。高付加価値商品にラインナップを絞り込み、いたずらに数を追わない方針の下、PC、デジカメ、そしてビデオカメラについては、そもそも前期実績(PC760万台、デジカメ1700万台、ビデオカメラ370万台)よりも、低い目標値が掲げられていた。

 反転攻勢を狙った液晶テレビも結局、2度の下方修正の結果、前期(1350万台)レベルにとどまることになりそうだ。喫緊の経営課題と位置づけてきた、テレビ事業の黒字化にも暗雲が垂れ込めている。同事業は2013年4~6月期は52億円の黒字に浮上したが、同7~9月期は93億円の赤字に転落。上半期は水面下に沈んだ。

 
 「新興国経済の低迷などが原因。ただ10~12月期はいちばんの繁忙期であり、強みの4Kテレビで成果を出したい」(加藤CFO)と力を込めるが、「(黒字化の達成は)8月時点より厳しくなっている」(同)と事業環境の厳しさを認める。

 実は黒字浮上した前期の営業利益2300億円のうち、2000億円超は米国本社ビルやソニーシティ大崎の敷地・建物の売却など、資産売却益が占めていた。

 こうした特殊要因が剥落しても前期並みの営業利益を確保できる理由として、円安の追い風に加え、前期は1344億円の赤字だったエレキ事業が1000億円の利益を計上できると見込んでいた。

 引き続き「エレキの黒字化目標は達成できる」(加藤CFO)とするものの、その水準は数百億円程度へと大幅に縮小される。

「昨年4月の社長就任以来、エレキをこう再生したいと思ってきた方向に向かい、やっと流れができて、商品が出始めた。今は手ごたえを感じている」。10月中旬、東洋経済などとのインタビューに応じた平井一夫社長はこう語っていた。だが、今回の下方修正を見る限り、ソニーのエレキ再生はまだまだ道半ばだと言わざるをえない。