まずは表1を見てほしい。これは、株主優待の内容縮小を表明した11の銘柄である。縮小内容は4つに分類される。(1)対象を長期保有の株主に限定、(2)優待品の金銭価値の減少、(3)配布回数の削減、(4)株主優待を割り当てる株数の区分の減少──である。
縮小した銘柄を見ると、債務超過 で再建途上にある御園座 を代表に、業績が悪化している銘柄が多い。歯科や美容・エステ業界向けに情報サービスを提供する日本メディカルネットコミュニケーションズ は1株利益および配当の減少が続いている(図1)。美顔・健康機器メーカーのヤーマン も2012年4月期に減配、2013年4月期は据え置きの方針だが、1株利益が対前年で減少する。
その一方で、ユニオンツール 、ホンダ 、ファースト住建 、カンダホールディングス といった業績が堅調な銘柄もある。ファースト住建は2012年4月から株主優待を100株以上と1000株以上で新設したが、今年からは100株以上に集約。1000株以上の株主も、100株の株主と優待の内容は全く同じになる。ただファースト住建は2013年10月期に5円増配を計画しており、その点では株主還元は充実する。
■廃止理由で多い配当の充実
株主還元の基本は配当。表2にまとめた優待廃止を明らかにした9銘柄のうち、「配当の充実」を理由にしたのは5銘柄と最多だ。
2013年8月期に増収増益を計画する、OA機器や自動車などの電機部品を扱う千代田インテグレ は、5月14日の取引終了後に、株主優待の廃止を表明した。翌日の株価は前日比2.5%の下落となったが、その後の下落相場ではTOPIX(東証株価指数 )や業種別平均よりわずかに下落率を抑える(図2)。