2013年10月8日火曜日

10/8優待の「縮小廃止」に要注意 業績・配当で見極める

_ 野村インベスター・リレーションズの調べでは、2012年12月中旬から2013年5月中旬の間に株主優待を新設した銘柄は37、内容を拡充した銘柄は41に上った。その一方で、内容を縮小した銘柄は11、廃止銘柄は15もあった。株主優待投資の注意点を押さえておこう。
 まずは表1を見てほしい。これは、株主優待の内容縮小を表明した11の銘柄である。縮小内容は4つに分類される。(1)対象を長期保有の株主に限定、(2)優待品の金銭価値の減少、(3)配布回数の削減、(4)株主優待を割り当てる株数の区分の減少──である。

表1 株主優待の内容を縮小した銘柄(注:野村インベスター・リレーションズ調べを基に日経マネー誌が作成)
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表1 株主優待の内容を縮小した銘柄(注:野村インベスター・リレーションズ調べを基に日経マネー誌が作成)

 縮小した銘柄を見ると、債務超過 で再建途上にある御園座 を代表に、業績が悪化している銘柄が多い。歯科や美容・エステ業界向けに情報サービスを提供する日本メディカルネットコミュニケーションズ は1株利益および配当の減少が続いている(図1)。美顔・健康機器メーカーのヤーマン も2012年4月期に減配、2013年4月期は据え置きの方針だが、1株利益が対前年で減少する。

図1 日本メディカルネットコミュニケーションズとヤーマンの業績推移
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図1 日本メディカルネットコミュニケーションズとヤーマンの業績推移
 
その一方で、ユニオンツールホンダファースト住建カンダホールディングス といった業績が堅調な銘柄もある。ファースト住建は2012年4月から株主優待を100株以上と1000株以上で新設したが、今年からは100株以上に集約。1000株以上の株主も、100株の株主と優待の内容は全く同じになる。ただファースト住建は2013年10月期に5円増配を計画しており、その点では株主還元は充実する。


■廃止理由で多い配当の充実

 株主還元の基本は配当。表2にまとめた優待廃止を明らかにした9銘柄のうち、「配当の充実」を理由にしたのは5銘柄と最多だ。

表2 株主優待を廃止した銘柄(注:株価騰落率で「翌営業日」は廃止発表日と翌営業日の終値、「直近」は廃止発表日と6月11日終値で計算。市場平均は東証1部銘柄はTOPIX、ジャスダック銘柄は日経ジャスダック平均。*1株利益・配当は株主分割を考慮。クオールは今期減配だが普通配当は前期と同額。▲はマイナス。データはQUICK)
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表2 株主優待を廃止した銘柄(注:株価騰落率で「翌営業日」は廃止発表日と翌営業日の終値、「直近」は廃止発表日と6月11日終値で計算。市場平均は東証1部銘柄はTOPIX、ジャスダック銘柄は日経ジャスダック平均。*1株利益・配当は株主分割を考慮。クオールは今期減配だが普通配当は前期と同額。▲はマイナス。データはQUICK)


 2013年8月期に増収増益を計画する、OA機器や自動車などの電機部品を扱う千代田インテグレ は、5月14日の取引終了後に、株主優待の廃止を表明した。翌日の株価は前日比2.5%の下落となったが、その後の下落相場ではTOPIX(東証株価指数 )や業種別平均よりわずかに下落率を抑える(図2)。

図2 千代田インテグレのチャート
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図2 千代田インテグレのチャート
一方、業績悪化で優待を廃止したクオール は、2013年5月下旬の調整相場では市場平均を上回る下落率となった(図3)。その後もTOPIXや業種別平均より下落率が大きくなった。


図3 クオールのチャート
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図3 クオールのチャート



 表2のように、業績が好調な銘柄も優待廃止となる場合もある。しかし、業績に安定感がある銘柄は、増配による株主還元の向上を期待できる。優待銘柄の投資では、優待内容に限らず業績もしっかりと確認したい。
(引用元:日経マネー)