(9984) ソフトバンク 7360 +120連日の年初来高値を更新。
後場一段高で時価総額は8兆8000億円を超えた。これにより三菱UFJ(8306)の時価総額(8兆7673億円)を突破し、時価総額2位に浮上した。新型「iPhone」での優位性や米国戦略による成長期待、さらにアリババ上場への思惑も根強く、短期筋の資金も誘い込みやすい。ムードメーカー的な役割もあり、個人の物色意欲の高まりにもつながりそうだ。
米高級宝飾店大手ティファニーの銀座本店ビル(東京都中央区)をソフトバンク(9984)の孫正義社長が320億円で購入したことが分かった。複数の関係筋がロイターに述べた。
関係筋によると、買収金額から得られる期待利回り(キャップレート)は2.6%とみられ、アベノミクス効果への期待から東京都心の不動産価格が回復し始めて以来、最も割高な投資になるという。
日本の代表的な不動産投資信託(REIT)の期待利回りは、年初来4%ないしそれ以上の水準で推移していたが、2006年をピークとした不動産投資ブームの際は、投資家の過大な投資熱から期待利回りが2%台に低下。今回の孫氏の買収はその水準に近づいていることを示している。
日銀の大規模な金融緩和に伴って不動産市場にも資金が流入。国内外の投資家は都内の一等地の不動産価格の回復に期待し、このこところ物件の売買が活発化している。
みずほ証券のチーフ不動産アナリスト、石澤卓志氏は「東京の不動産価格が底を打ち上昇している中で、今後このような高値での取引が成立する可能性はある」と指摘する。
ただ、今回の買収価格に関連し「リートや不動産ファンドは一定のリターンが必要で、このような価格で物件は買えない」と話し、「これから出てくる物件の買い手は、非不動産業になるのではないか」と、買い手の業種の広がりを指摘した。
ティファニーのビルをめぐっては、ゴールドマン・サックスの不動産ファンドが2007年に380億円で取得し、不動産投資ブームを象徴する高額案件として話題になった。
その後、リーマン・ショックのあおりで物件の価値が下落。ゴールドマンのファンドが期限までにローンを返済しなかったため売却権は銀行に移譲し、10年にアジア・パシフィック・ランド(APL)が買収していた。APLは、物件のローン残高の250億円を上回る価格での売却先を求め、6月に売却手続きを開始。海外の政府系ファンドなど複数のグループが入札していた。