2013年7月3日水曜日

電通、最大1200億円調達 自己株売却と公募増資で

電通は3日、自己株式の売却と公募増資などで最大1200億円を調達すると発表した。

銀行借り入れで賄っていた英広告大手イージスの買収資金に調達資金の全額を充当する。海外戦略を加速するために、借入金を返済して財務体質を改善する必要があると判断した。電通が増資をするのは2001年の上場以来初めて。

 発行済み株式数の10%に当たる2900万株の自己株式を証券会社を通じて国内の機関投資家と個人投資家、海外の機関投資家に売却する。同時に国内外で合計800万株の公募増資を実施する。需要動向に応じて最大300万株を追加で売り出す。価格は22日から24日までの間に決める。

 自己株式の売却で需給が悪化する懸念があるうえ、発行済み株式数は最大4%増える見通しで1株利益が希薄化する。ただ、昨年7月にイージス買収を発表してから株価が5割強上昇しており、資金調達の好機とみた側面もあるようだ。

 電通は今年3月末に約4090億円を投じてイージスを子会社化。そのうち約2000億円を銀行からの短期借入金で賄った。負債の増加に伴い財務の健全性を示す自己資本比率は同3月期末に27%と、前の期末に比べて18ポイント低下していた。

 電通はイージスの買収で海外の顧客を一気に広げた。各国の顧客に応じたサービスを提供するため、イージス買収後もマーケティングやデジタル広告の制作技術を持つ企業のM&A(合併・買収)を実施している。「今回のファイナンスで財務基盤を強固にし、今後の機動的な投資に備えたい」(電通)という。